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ツブヤキニッキ

「ヴォルデモート卿」編(1)

今回は、「例のあの人」こと、ヴォルデモート卿にスポットライトを当てます。なお、かなりネタバレが多くなっていますので、万が一、4作目までを未読の方はご用心ください!

ヴォルデモート卿の本名は、トム・マールヴォロ・リドル。母親はサラザール・スリザリンの血が流れた生粋の魔法使いだが、父親はマグルである。父親は母親が魔法使いだと知ると彼女のもとを去り、母親はトム(ヴォルデモート卿)を生んだ後、すぐに亡くなった。

マグルの孤児院で幼少期を過ごした彼は、やがてホグワーツに入学。なかなかのハンサムだったうえに、魔法の能力も際だっていた。ダンブルドアも、彼のことを「ホグワーツ始まって以来、最高の秀才」と認めている。彼がホグワーツ在学中、16歳のころに書いた日記が、50年の時を経てロンの妹ジニーやハリーを危機に陥れたこともある。

ホグワーツを卒業した彼がまずやったことは、父親に会いに行くこと。卒業を報告するため…ではもちろんなく、殺すために。そしてその時、祖父母にあたる父親の両親も、殺してしまった。

その後、放浪の旅に出た彼は、闇の魔術にはまり込み、父親から受け継いだ自分の名を嫌い、「ヴォルデモート卿」と名乗るようになった。この時、40歳過ぎだっだと推定される。

やがて悪の勢力として台頭し始めた彼は支持者を獲得し、(「死喰い人」と呼ばれる者たち)、約10年をかけて、魔法界の秩序を脅かすほど強大な威力を持つようになった。

しかし、彼がジェームズ&リリー・ポッター夫妻とその幼い赤ん坊ハリーを襲ったとき、ハリーの母は「犠牲の印」によってハリーを命がけで守り、ヴォルデモート卿は自分の魔法を浴びて、瀕死の状態となった。

「霊魂にも満たない、ゴーストの端くれにも劣る存在」。自らそのように形容する存在となったヴォルデモート卿は、自分の力ではもはや何も起こすことはできず、ただ生き延びながら、復活のチャンスが来るのを待つ。人里離れた、深い森の中で…。そしてその「時」が初めて訪れたのは、実に9年後。ハリーがホグワーツの存在を、そして自分が魔法使いであることを知るほんの少し前のことだった。