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ツブヤキニッキ

「ヴォルデモート卿」編(2)

ヴォルデモート卿に復活のチャンスをもたらしたのは、ある「愚かな若造」だった。ヴォルデモート卿が住む森に迷い込んできて、彼に説得されその下僕となり、自分の体を乗っ取らせてしまったのだ。そう、1作目に登場したクィレル先生である。ヴォルデモート卿は彼を使って、自分をよみがえらせることができる「賢者の石」を手に入れようとしたが、ホグワーツに入学したばかりのハリーがそれを阻止。そしてヴォルデモート卿は、再び弱い存在に戻り、森の奥に隠れてしまった。

それから約2年の後、ハリーは、両親の親友だったシリウス・ブラックと出会い、彼の濡れ衣を晴らす。しかし皮肉にも、それが巡り巡ってヴォルデモート卿に吉報をもたらすこととなった。シリウスに追われてホグワーツを逃げ出した、ワームテールことピーター・ペディグリューが、ヴォルデモート卿を探しだしてしまったのだ。

吹けば飛ぶような存在であるにもかかわらず、ヴォルデモート卿は巧みにワームテールを操り、復活のためのお膳立てをさせた。魔法省に勤める魔女、バーサ・ジョーキンズから情報を仕入れ、ハリーを罠にかけたこともその1つ。三大魔法学校対抗試合に仕組まれた罠にはまったハリーは、ヴォルデモート卿の復活に必要な「敵の血」を与えることになってしまう。かくして、ヴォルデモート卿は、復活したのである。

現時点ではっきりわかっているヴォルデモート卿の消息はここまで。ヴォルデモート卿が復活した今、ハリーのみならず、魔法界全体に脅威が迫っていることは明らか。しかし、魔法界は今、まっぷたつに割れている。ヴォルデモート卿の復活を認めずに事なかれ主義に徹しようとするコーネリウス・ファッジの陣営と、ヴォルデモート卿に対抗するために、魔法界全体を「構造改革」せんとするダンブルドアの一派である。魔法界は一体どうなってしまうのだろうか?5作目では、ハリーに起こる出来事はもちろん、こういったことも見どころとなりそう。