す も も の 缶 詰

ツブヤキニッキ

山崎庸一郎訳

『小さな王子さま』サン=テグジュペリ (著), 山崎 庸一郎

  • 価格: ¥2,100 (税込)
  • 単行本: 119 p ; サイズ(cm): 22
  • 出版社: みすず書房 ; ISBN: 4622071584 ; (2005/08)

出版社 / 著者からの内容紹介
「わたしはどこの者か? わたしは子ども時代の者だ」─『夜間飛行』『人間の大地』などの作品で国内外で高い評価を受けた、サン=テグジュペリ。彼が唯一、子どもたちに向けて書いたのが『小さな王子さま』である。


ナチスドイツのフランス侵攻に際し、苦渋の選択の結果、サン=テグジュペリアメリカへ亡命した。母国に、無事を気遣う多くの人びとを残して─。なかでも、もっとも心を痛めたのは、ユダヤ系で年長の親友、レオン・ヴェルトの安否だった。『小さな王子さま』は、この親友へ捧げて、1942年の夏にアメリカで書かれた。数年前からカフェのナプキンや紙切れの上に繰り返し現われた、不思議な服を着た子ども─「小さな王子さま」を、「機械工のような正確な手つきで子ども用の小さな絵筆を熱心に動かし、はみ出ないようにと舌先をのぞかせ」ながら描き、友への思いをこめて執筆されたこの宝石のような物語をのこして、サン=テグジュペリは、北アフリカの戦列に復帰。翌年、この、子ども時代の国に棲みつづけていた作家は、偵察飛行中に、地中海上空で消息を絶った。


〈心で見なくちゃよく見えない。大切なことは目には見えないんだよ〉〈きみのバラをそんなにも大切なものにしたのは、きみがきみのバラのためにかけた時間だ〉〈きみは自分が飼いならしたものに永遠に責任を負うことになる〉─ サン=テグジュペリの小説世界を品格ある日本語で届けてきた山崎庸一郎による翻訳に、物語にかくされた秘密を読み解く丁寧な読みのヒントを、図版入りの註として付す。