す も も の 缶 詰

ツブヤキニッキ

【23】 自動車泥棒

処女長篇『兵士の報酬』以来、30年間、自己の問題に執着して、失敗をおそれずに文学的苦闘を続けてきたフォークナーの創作活動の最後を飾る作品である。ここに見られるのは、多くの批評家たちがフォークナー文学に指摘するユーモアの見事な結実である。南部の民間伝承やほら話を種にした明るいユーモア小説で、作者自身「自分がこれまで読んだもっとも滑稽な本の一つ」であるといっている。1963年度のピュリツァー賞受賞作品。