水星は太陽の最も近くをまわる惑星。そのため地球から見ても太陽からせいぜい28度(腕を伸ばして、縦にしたこぶしの大きさが約10度)しか離れず、日没直後の西の低い空か、日の出直前の東の低い空でしか見られない。
地動説を唱えたコペルニクスでさえ生涯見ることがなかったと伝えられているほどで、その水星を見つけるには、地平線から離れた高いところにいる時期を選ぶことが大切。
3月13日前後の数日間は、水星が太陽から大きく離れるため、日没直後は観望の好機。西の低い空が開けた場所で、日没の30分ほど後に地平線から約10度の高さを探そう。
水星は1等星より明るい0等級だが、低空で空が明るいため目立たない。でも、このころ周囲には明るい星はないので、間違うことはないだろう。
望遠鏡を向けても、地球の大気による乱れや、小さな惑星(地球の直径の38%)であることなどから、表面模様の観測は簡単ではない。自転周期も、40年前にレーダー観測によってようやく約59日とわかった。
昨年8月に水星探査機メッセンジャーが打ち上げられ、11年には水星の人工衛星になって詳しい調査が始まる。
一方、太陽から最も遠い惑星が冥王星で、今月で発見からちょうど75年。来年1月には初の冥王星探査機も打ち上げられ、接近は15年になる予定。