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ツブヤキニッキ

百年の孤独

百年くらいの圧倒的な孤独(比喩)をヒシヒシと感じる今日この頃、ガルシア・マルケスの『百年の孤独』が文庫化された。

発売日当日(6/26)に、高円寺のバー「人間失格」のマスター・Tくんから情報を得て、以前に図書館で借りて読んではいるものの、手元にはないので文庫なら買おうかなと。気に入っている本は手元に「紙」で置いておきたいので。

山積みになっているのを見ながら本屋で買いたいと思ったけれど、一番近い本屋は紀伊国屋。毎日暑いので、結局いつも通りAmazonで買うことに。

ところが、Amazonで定価(¥1375)で売っていない。マーケットプレイスでは売っているが、定価プラス送料とか、送料無料だが¥2000超えてるとか・・・。Amazonは本は送料無料だったよね?と不思議に思いながら、楽天ブックスを見ても同様。

出版元の新潮社のサイトを見に行くと、オンラインで買う場合は、Amazon楽天を利用となるから、直接は買えないらしい。

翌日、Amazonで普通に定価で(送料無料で)買えるようになったので注文したところ、届くのは1~2ヶ月後とのこと。すぐには読まないからいいけれど、発売したばかりでどういうことかと。

で、ニュースになったのがこちら

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【「百年の孤独」文庫版発売、売り切れ続出 特設コーナーや重版も】毎日新聞

コロンビアのノーベル賞作家、ガルシア・マルケス(1927~2014年)の代表作「百年の孤独」の文庫版が26日に発売され、海外文学作品としては異例のペースで売れている。インターネット書店では売り切れとなる店が続出。東京都内の大型書店には特設コーナーが設置されている。発売直後にもかかわらず、既に重版が決まっている。

https://news.yahoo.co.jp/articles/42645e854329d9ec6a999c72b019b3bc7c5ab277

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そういうことか!Amazonとか楽天ブックスとかは即日完売だったのか!だから普通に買えなかったのかと納得したものの、今頃なんでこんな人気になってるの?と、それはそれでまた不思議。

さらに翌日、病院に行ったついでに信濃町駅前の本屋を覗いてみたら、やっぱり売り切れ。実店舗も売り切れなんだねと、人気の程を実感。

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◇書店員も驚き

文庫版が発売されたことで、各地の書店では、盛り上がりを見せている。三省堂書店神保町本店では、ガルシア・マルケスの顔写真と作品に登場するブエンディア一族の家系図が載ったパネルとともに文庫版を平積みにした特設コーナーを設置。文芸担当者は「予想していた倍以上の数が売れている。いつもより多くの部数を仕入れたはずだが、このペースだと売れ切れるだろう」と驚いていた。

実際、複数のインターネット書店では既に売り切れとなっており、27日には重版することが決まった。菊池さんは「海外文学としてだけでなく、活字本としても異例の売れ行き。想定した以上だ」と話し、発売初日に購入したという男性会社員(38)は「学生時代に挑戦したが途中で挫折した。今度はぜひ完読したい」と語った。

https://news.yahoo.co.jp/articles/42645e854329d9ec6a999c72b019b3bc7c5ab277 

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つまり、私が注文できたのは重版分というわけ。となると気になるのは初版の特典。

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【ガルシア=マルケス百年の孤独』文庫版売り切れ続出で発売即重版決定!特別仕様の金スピンも継続】

当初、初回出荷分限定としておりましたが、想定を上回る需要にお応えし、3刷でも継続させていただくことを決定いたしました。

※通常こげ茶色である新潮文庫のスピンですが、『百年の孤独』文庫版では煌びやかな金色の特別なものを採用しています。

《新潮社》
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001539.000047877.html
※写真も新潮社

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というわけで、本が届くのは遅いけど、特典はついているのだろうな、と。

それにしても不可解な人気沸騰ぶり。マルケスは素晴らしいと思うし、売れて当たり前と思うけれど、即日完売するほど?と不思議で仕方がない。

というか、売れないと言われて翻訳される本も少なくなってしまった海外文学も、みんな文庫化すれば売れるんじゃないの?正直この物価高で、単行本には手が出ないというのはあるよね。

そんなに簡単な事ではないけれど、この時代、文庫なら売れるというのは絶対ありそう。文庫も高くなったので、それさえ難しいかもしれないが、自公政権の重税、失政のせいで、文化や芸術は疎かにされ、庶民は「読書」の楽しみさえ奪われている。

本が高いこと自体はいい。問題は、給料も上がらず、年金は減らされ、庶民が手にするお金が少ないから、高い本などとても買えないという事。ある政治家は、自分が出した本を政策活動費で何億円も買ったと言うのだから、税金の無駄遣いにも程がある。

そんな中で、マルケスの『百年の孤独』が大ヒットしているのは、とても喜ばしいこと。出版界のこんな大きなインパクトは、ハリーポッター以来ではないかと。