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「英語術」の時間

このコーナーでは、「ハリー・ポッター」の原書から、日常のちょっとしたシーンで使えそうな英語表現をピックアップしています。今回はまず、4作目冒頭での、ヴォルデモート卿のこの不気味なせりふから。

Voldemort: Harry Potter is as good as mine.

"as good as A"は、「Aと同じぐらい良い」という意味にも取れますが「A同然である」という意味の熟語としても使われます。この場合だと、「ハリー・ポッターは私のもの同然である」ですね。松岡佑子さんの訳では「ハリー・ポッターはもはや我が手の内にある」となっています。

そしてもう1つ、自分たちの会話を聞いてしまったマグルを部屋の中に引き入れるようにワームテールに言った言葉がこちら。

Voldemort: Invite him inside, Wormtail. Where are your manners?

松岡祐子さんの訳では「中にお招きするのだ、ワームテールよ。礼儀を知らぬのか?」となっています。丁寧な言葉遣いが、かえって恐ろしさを際だたせていますね。この後半の言葉、"Where are your manners?"に注目。直訳すると「あなたのマナー(礼儀、行儀)はどこですか?」。相手のお行儀が悪いときにやんわりと注意する言葉です。ヴォルデモート卿なら「礼儀を知らぬのか?」ですが、ごく普通の人が言えば「お行儀はどうしました?」あるいは「礼儀正しくしなさい」という感じになります。


─「ハリー・ポッターメールマガジン第5号より