す も も の 缶 詰

ツブヤキニッキ

探せ!第10惑星

 私たちの太陽系には、水星から冥王星まで九つの惑星が知られている。だが最近、冥王星の軌道の近くで新たな天体が次々と発見され、冥王星より大きい天体が見つかるのは「時間の問題」ともいわれる。第10惑星は、存在するのだろうか?

 冥王星の周辺で最初に天体が発見されたのは92年。以来、直径100キロを超える天体が800個以上見つかっており、それらはエッジワース・カイパーベルト天体EKBO)とみられている。
 EKBOは、約46億年前に太陽ができた時、集まって大きな惑星になることなく残った天体の群れで、天文学者のエッジワース(アイルランド)とカイパー(米国)が、それぞれ半世紀前に存在を提唱した。主成分は氷で、太陽の周りを帯をなして回っている。
 80年代になて、周期が短い彗星のふるさととして注目され、新天体捜索の目が向けられるようになった。他の天体の影響などでEKBOが帯を外れ、太陽に向かう軌道に入ると彗星になると考えられている。
 神戸大の向井正教授(惑星科学)によると、EKBOは三つに分けられる。

①太陽から約60億〜75億キロのところを、ほぼ円軌道で回っているグループ。EKBOの大多数を占め、最大は02年発見のクワーオワー(直径約1300キロ)。
②太陽からの平均距離が約60億キロの楕円軌道を回るグループ。数十個が知られる。
③太陽に約75億キロ以内まで近づく、細長い楕円軌道を回るグループ。数十個が知られる。

 EKBOの中の大きな天体は、惑星ではないのか。
 国立天文台渡部潤一助教授(惑星科学)によると、「惑星」に科学的な定義はない。太陽を回る、ある程度の大きさの天体で、その軌道周辺の空間で突出した存在─と考える研究者が多く、「EKBOの場合、同じような天体がたくさんあるので、惑星とは呼べない」と話す。
 今年3月、冥王星(直径約2300キロ)の発見(1930年)以来、太陽系で最大の天体が見つかり、「セドナ」と命名された(直径約1800キロ=推定)。太陽からの平均距離は約130億キロと、太陽─冥王星間の倍以上。太陽の光が届くまで12時間かかる。
 セドナは③に近いが、太陽から約114億〜1500億キロの細長い軌道を回っており、EKBOよりはるか外側にあるとされる「オールトの雲」との関連も指摘されている。