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芦川淳一さんの時代小説54冊コンプリート達成

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芦川淳一さんの時代小説最後の1冊を読み終え、全54冊コンプリート達成!


昨年4月に最初の1冊である『包丁浪人』を読み始め、3シリーズ程読んだところで全部読もうと決心。途中全く違うジャンルの《シグマフォース》シリーズなどの本を挟みながら、約16ヶ月をかけて読み終えました。


以前にも書きましたが、芦川さんの本は全部面白い。全部読み終えてみて、改めて面白くない本はなかったなと。


最後に残った2シリーズは、同心物と浪人物でしたが、そこで初めて最後の本はどちらにしようかと考えるに至りました。


結局、どちらかと言えば浪人物の方が好きだからというだけの理由で、最後は《朝露の楽多郎》シリーズに。結果それで良かった。最後は感動すら覚え、コンプリートを飾る最後の1冊に相応しい本だったなと思います。


主人公の楽多郎は見た目はむさくるしく、普段は飄々としたとぼけた浪人ながら、私利私欲がなく、欲があったとしても、望みは屋根のある寝床と食べ物くらい。他人のために奔走することを厭わず、時には自分の命さえ賭けて戦うけれど、剣をふるえばこれがまた滅法強い。まさにヒーローと言っても過言ではない私好みの主人公でした。


『命は惜しい。だが、捨てても悔いはない』


という言葉は楽多郎の名言ですね。いかにも強い侍は格好いい。だけど、そうは見えないけれども爪を隠した鷹はもっと格好いい。


何やら清々しい気持ちにもなり、最後の1冊にこの本を選んで本当に良かったと思いました。満足です。私も楽多郎のように、悔いのない生き方をしたいものです。


時代小説をほとんど読んだことのない私に、時代小説の面白さとその時代の知識を教えて下さり、16ヶ月の間テンポの良い日本語のリズムに浸り、楽しい時間を過ごさせて頂いた作者の芦川淳一さんには、心より感謝をすると共に、今後の益々のご活躍をお祈りしたいと思います。