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コロナからの生還

母がコロナに感染してから1ヶ月以上が経ちましたが、その間ずっと気の休まらない日々でした。

11/6に施設で転び、腰が痛いと言うので翌日病院を受診するも異常はないと。しかし熱があったので抗原検査(病院でもPCRではない)をしたところ、陰性。

その後も熱が下がらないので数回検査し(ずっと抗原検査)、11/13に陽性が判明しました。ハイリスクなのにも関わらず、コロナ治療薬も与えられず、入院もできずに施設での対症療法だけ。

「コロナ治療薬はなかなか出して貰えない」と施設の看護師さんも怒りあらわ。入院させずに施設に放置しながら、薬も出さないとはどういうことでしょう。

人工呼吸器を使うような、いわゆる重症と言われる状態にはなっていませんでしたが、食事もとれずに衰弱していく母。呼吸不全と衰弱で、陽性判明から9日目の11/22にようやく入院する事ができ、やっとレムデシビル(コロナ治療薬)を投与してもらう事ができました。

後に「軽症ではなかった。入院できたのは本当に運が良かった」と看護師さん。今や治療を受けられるのも、入院できるのも、運次第ということですか。この状態、医療崩壊ですよね。

母だけではありません。多くの人が医療に繋がらないまま、薬もないまま亡くなっています。なのに政府は無為無策。「今までで一番酷い状態だ」と宇都宮の倉持先生。めちゃくちゃな状況ですね。母も入院できなかったらどうなっていたか分かりません。

幸い、母は病院での治療を受けられ、だんだん食事もとれるようになりましたが、その間に股関節の骨折が判明。結局、転んだ時に骨折していたのですね。最初の病院でそれが分からなかった為に、ずっと痛みを我慢していたわけです。

骨折については、高齢なので手術もできない為、薬で痛みを抑えつつ自然に任せるとのことで、歩けなくなる事を受け入れるしかありませんでした。

入院から10日後の12/2、後がつかえているからと退院。コロナは治ったけれど、まだ衰弱しているのでこの先は分からないという状態で病院を出されました。

施設に戻ると、再び食事が食べられなくなったそうで、「どうなるか分からないので、面会に来てもいい」と言われたので、退院の2日後に面会に行きました。

ベッドに寝たままで運ばれて来た母は、すっかり痩せてしまっていました。にも関わらず、すぐに私だと分かって、私の手を握って自分の頬に押し当てながら「助けて、助けて」と。でも、何もしてあげられない。その事が本当に辛かったです。

でも、その日はゼリーを2つ食べられたので皆で拍手して喜んだという話を聞き、胸が熱くなりました。「お母さんの好きな食べ物を持って来て下さい」と言われていたので、好みのおまんじゅうを持って行ったところ、「食べたい」と言ってくれたので少しは食欲が出て来たかと。

何より、握った手の力が意外に強く、食べられるようになれば大丈夫かな?と思えた事が、僅かながらも安心材料となりました。

30分ほど面会し、また来るからと言うと、 「約束ね。指切りげんまんして」とお茶目なところも披露してくれ、最後に皆を笑わせてくれました。

大丈夫!きっと良くなると思えた瞬間でした。

翌日から、今度は自分の体調が優れず、発熱はないからコロナではないと思うけれど、前日電車とバスで行ったからもしかして・・・と不安に思いながら数日を過ごしましたが、幸いコロナではなかったようです。

面会から1週間、退院したからといって楽観できなかった母の容態も徐々に良くなり、食事も8割くらい食べられるようになったとのことで、これでようやく安心できるかなと。

ところが、その数日前に居酒屋で会食した主人の同僚がコロナに感染していたという連絡。つまり主人が濃厚接触者になったというわけです。

主人には何の症状もないので、すぐに近所の薬局でPCR検査をしました。症状がなければ無料でPCR検査ができるのはいい事ですが、症状があるとなかなか検査ができないという状況も理不尽です。その結果が出るのに2日。生きた心地もなく結果が出るのを待っていました。

母のような高齢でも、衰弱するまで何の治療もしてもらえないのだから、ここで夫婦揃って感染したらと思うと恐怖でしたが、幸いにも検査結果は陰性。ああ、良かった!と心底から胸を撫で下ろしました。

これでやっと一段落したかなと思いますが、この間にTwitterでコメントを下さった、ひなた在宅クリニック山王の田代先生には、見ず知らずの私にも母の件でいろいろアドバイスを頂き、精神的に大きな救いとなりました。

直接診察していただいたわけではありませんが、「力になります」と言って下さったのが本当に有難く、国の無為無策で誰にも頼れない中、どれだけ励みになったことか。「医は仁術」という言葉を、しみじみと痛感しました。田代先生にはいくら感謝してもしきれません。

死亡者を許容して行くなどと言う医師や専門家とやらもいる中、見ず知らずの人間にも力を尽くして下さる田代先生のような方がいることに、ひとすじの希望の光を見出しました。どんな事であれ、自分の為ではなく人の為に力を尽くす事ができる人は尊いです。

また、心配や励ましのコメントを下さった皆様にも感謝致します。ありがとうございました!母はなんとかコロナからの生還を果たしました。

しかし、反コロナの人が、コロナ禍で医者や病院が儲けているだけだなどと言っていますが、中にはそういう医者もいるかもしれないけれども、どれだけの人が医療従事者に助けて貰ったか考えもしないのでしょうか。感染した本人だけではなく、家族も含めて。ちなみに医療従事者はいまだに外食も旅行もできませんよ。なのにマスク外せ?ふざけてますね。

自分が実際にそういう目に合わなければ分からない、他人の事は考えられない自分さえ良ければの人がいかに多いか、暗澹たる気持ちになります。そういう人の集合が現政権。

また、そういう政治家を選んで、何をされても黙っている国民も最悪。あろうことか、日本は戦争に向かっているのですよ。他国の戦争には「戦争反対!」と言う人が、自国の戦争の危機には声をあげないというのはどういうことなのでしょう?戦争になってからでは遅いのです。黙っていたら、日本が滅びるのも時間の問題でしょう。

気が休まる間がないのは自分の事だけでなく、こういう政治の事もあります。自分の事を書く気持ちの余裕もなく、日々憤る事ばかりですが、このあたりで田代先生とコメントを下さった皆様に、一度お礼を言っておきたいと思って経過を書かせて頂きました。

改めてありがとうございました。
心より感謝致します。