す も も の 缶 詰

ツブヤキニッキ

Night Flowers 夜の花

暗闇の中で目を凝らすと、周囲にはひっそりと、かつしっかりと、誰に見られることを望むわけでもなく、花々が私を囲むように咲いていた月食の夜。

空には皆既月食の赤い月。電灯の光を避けたその薄闇に目が慣れると、花は本来の月の色で染められたかのような黄色だと分かりました。

其の姿を見て、何度も何度も繰り返し自分に言い聞かせて来た「人に期待しない」ということを改めて噛み締めました。

期待しなければ失望もない。人に期待せず、マイペースを貫くことが楽に生きるこつ。

分かっていながら、それでも律儀に期待してしまった後に残る虚しさ。どれだけ失望を経験しても、なかなか身につかない境地。