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ツブヤキニッキ

原作がこう変わった

映画の原作はリーガル・サスペンスの第一人者ジョン・グリシャム『陪審評決』(原書『The Runaway Jury』)。原作ではニックは27歳のコンピューター店の店員。夫を肺がんで亡くした未亡人がタバコ産業の責任を追及して訴訟を起こした。映画化に当たっては、より今日的で深刻な銃の問題に変更されているが、映画の冒頭でニックがアパートの噴水掃除人に禁煙を勧めたり、陪審員控え室でロニーがみんなから喫煙をとがめられたり、原作への目配せもそこここに。また、ミシシッピー州ビロクシーに設定されていた物語の舞台もニューオーリンズに変わった。監督によれば、「雄々しいビルが建ち並んで、奥にダークな部分を秘めていることが主人公ふたりの存在を反映し、町自体が映画のキャラクターになった」という。
─(ROADSHOW 2004/3)