す も も の 缶 詰

ツブヤキニッキ

劇場版ムーミン

昨年はトーベ・ヤンソン生誕100周年でした。で、今年は2月にムーミンの映画が公開されます。フィンランドで製作された長編アニメーションで、日本のテレビアニメのムーミンとは違うらしいので、是非観てみたいと思います。

ですが、『南の海で楽しいバカンス』というタイトルを見て、ちょっとがくっと来ている私。ムーミンと言えば、オーロラとか白夜とか北欧の幻想的なイメージを頭に浮かべる、いや浮かべたいと思っている世界なので、南の島で楽しく過ごすなんてイメージは全然ないですから。原作もどちらかと言えば明るくはないですし。

これまで原作の絵に近いけれど、原作にはない絵をいくつか目にしており(日本のテレビアニメの絵ではなく)、これは一体どこから持ってきたのだろう?と疑問に思っていたのですが、この映画からだったのですね。疑問が解けました。

しかし何点か実際の映画の画像を見たところ、色使いは素敵。北欧らしい独特な色使いが非常にきれいです。その色使いだけを楽しみに行ってもいいかもね。ただし、ほとんどの劇場では日本語吹き替えになっているので、それがネックになるかも・・・。唯一、新宿武蔵野館だけ「英語版日本語字幕」でやるそうなので、観るならここと思っています。


『ところで、ムーミン』の登場人物で誰が好きかと聞かれて、ほとんどの人が「ミイ」か「スナフキン」と言うんですよね。たまに「ニョロニョロ」という人がいるとしても、ムーミントロールそのものが好きというのを聞いた事がない。これってとても不思議です。

主人公を好きという人が少ない物語、それも世界的に有名な物語って、『ムーミン』くらいじゃないかな?もちろん、ムーミントロールが嫌いという人はいないと思いますが、彼はヒーロー的な主人公ではないというのと同時に、『ムーミン』という物語はムーミン谷の住人すべてが主人公であり、そうでなければその世界が成り立たない物語なのだろうと思います。

その証拠に、原作の『ムーミン谷の11月』では、ムーミン一家は全く登場しません。ムーミン一家以外の登場人物だけで物語が進んでいくのです。しかもそれがシリーズの事実上の最終巻というのですから、こんな物語も珍しい。それでもやっぱり『ムーミン』なのです。世界がしっかり作られているんですね。